江戸末期から幕末に活躍し、坂本龍馬が師と仰いだ政治家「勝海舟」と土佐の漁師であったが船が漂流したことからアメリカで生活するという数奇な人生を過ごした「ジョン万次郎(中浜万次郎)」のお二人が連れ立って当店に訪れたそうです。
ジョン万次郎のご子孫の方々は皆様、万次郎に関する著書があり、その中に書かれたエピソードです。
当時は日本一の繁華街浅草ですから、他にも歴史上の偉人・著名人が当店に訪れたかもしれません。
もしかしたら、勝海舟、ジョン万次郎のお二人と縁の深かった「坂本龍馬」も当店の鰻を味わったかもしれない、浅草でよく遊んだという記録が残る「新選組」の「近藤勇」「土方歳三」「沖田総司」も来たのかも?「桜吹雪」で有名な「遠山の金さん(遠山金四郎景元)」も時代から考えるとご来店されているかも
・・・・・・などと想像するのも楽しいことです。
ジョン万次郎と当店についての面白いエピソードがあります。
当時、それなりに裕福であったはずの万次郎ですが、食事の残りをいつも折り詰めにしてもらい持ち帰ったそうです。
その姿に当店の店員が「万次郎はしみったれだ(ケチだ)」と噂をしていたそうです。
ところがある日のこと、当店の仲居が外出したとき、橋の下にいたみすぼらしい格好をした人に万次郎が「この前は、お前にあげられなくて悪かった」と言いながら当店の鰻を渡していたのを見ました。
万次郎は、わざと食事を残し、その残りを包んでもらい、恵まれない人たちに分け与えていたのです。
仲居から話を聞いた店員たちは、万次郎を誤解していたことを反省し、後に万次郎のご子孫が当店にご来店の際、誤解していたことをお詫びしたという話が万次郎のお孫さんが書かれた本に載っています。
万次郎は相手の身分にへだてなく接し、特に弱い立場の人々に優しかったといいます。
そんな万次郎に当店の鰻を愛していただいたことがたいへん嬉しく思えます。
当店のエピソードも書かれたジョン万次郎のご子孫の本を紹介します。
◆中浜明 『中浜万次郎の生涯』
◆中浜博 『私のジョン万次郎』
『中浜万次郎「アメリカ」を初めて伝えた日本人』
◆中濱武彦 『ファースト・ジャパニーズ ジョン万次郎』
『ジョン万次郎に学ぶ 日本人の強さ』
※敬称略
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